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スクラップ・アンド・ビルド

2015年、羽田圭介氏が、又吉の「火花」と供に芥川賞を受賞した作品「スクラップ・アンド・ビルド」

 

主人公は28歳の健斗。三流大学を卒業した後、5年ほど勤めたカーディーラーを自己都合退職した後は、たまのアルバイトと月に1〜度中途の採用試験を受ける、時々彼女と行きつけのラブホに通う。母親と要介護でデイサービスに通う祖父と生活しており、月に3日ショートステイに入る祖父の送り迎えや、医者への付き添い、風呂の介助など、祖父の面倒もみている。

 

その祖父、「じいちゃんなんか、死んだらよか」と「早う死にたか」が口癖。

健斗が介護士の友人・大輔に祖父の話をした時に、大輔はこう話す。

「人間、骨折して身体を動かさなくなると、身体も頭もあっという間にダメになる。筋肉も内蔵も脳も神経も、すべて運動してるんだよ。骨折させないまでも、過剰なたし算の介護で動きを奪って、ぜんぶいっぺんに弱らせることだ。使わない機能は衰えるから。要介護3を要介護5にする介護だよ。バリアフリーからバリア有りにする最近の流行とは逆行するけど。」「中途半端に弱らせて死なせてあげられなかったら、介護が今より余計面倒になって、家庭介護者のストレスは増す。」

弱った老人は、手を貸して欲しがる。でも、他人の手を借りれば借りるほど、その老人は弱ってしまう。弱らないためには「自分のことは自分で」が鉄則なのだ。

 

そんな、健斗のじいちゃんにたいする感情は、単なる「優しさ」とは言えないところがなんとも人間臭くて面白い。

人は誰もが、「あいつよりは自分が上」と思いながら、自分の位置を確認し、満足しているのではないだろうかと思う。健斗は定職にも就かず、彼女ともだらだらと付き合っている毎日の中で、じいちゃんを見て、そう思っていたのですないだろうか。

この作品では、たまたま孫と祖父がメインだけれど、「自分と他の誰か」を常に意識して生活してはいないだろうか。

 

個人的には、きっとそばに居たらイライラする主人公のキャラクターだれれど、世の中こういう人が多いのかもなぁ〜と思う。迷った揚げ句に自分の道を見つけられれば結果オーライだよね。

 

たまたま、今週の土曜日にこの小説のドラマが放送されるらしい。

主演は柄本佑。じいちゃんは山谷初男かな? 配役の順番からして、じいちゃんはそんなに出てこないかな。さっそく録画予約を入れてみた。

posted by: Michelle | Books | 13:09 | comments(0) | trackbacks(0) | - | - |
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